ヨーロピアンバーミーズが“別の猫種”として認められるまでの話
『ヨーロピアンバーミーズ』という猫種をご存じですか?
The European Burmese is a graceful and unique breed.
ヨーロピアンバーミーズは、優雅で独自の魅力をもつ猫種です。
(CFAスタンダードより)
【前編】では、独自の進化を遂げながら、世界中に広がっていった歴史を紹介しました。
【後編】では、CFAという世界最大級の血統登録団体において、どのようにして正式な品種として認められるに至ったのか、そしてその裏にあるブリーダーたちの努力と時間の積み重ねを追っていきます!

ついに『ヨーロピアンバーミーズ』が誕生するニャよ!

すごいことニャよ
10年かけて公認品種へ!ヨーロピアンバーミーズの軌跡
1993年6月24日、CFA(Cat Fanciers’ Association)の理事会で、「ヨーロッパで行われるCFAのキャットショーにバーミーズの出陳者がいない」という問題を取り上げました。これは、CFAで認められているバーミーズとFiFe(ヨーロッパの国際猫連盟)で認められているバーミーズの特徴が異なるためでした。

ヨーロッパのブリーダーたちはFiFeのショーにバーミーズを出していたニャ

CFAのバーミーズは、アメリカで発展したバーミーズニャんだよね
この問題を解決するために、FiFe、GCCF(イギリスの猫血統登録団体)、オーストラリアの猫協会で公認されているバーミーズのタイプもCFAで受け入れ、これらの基準(スタンダード)を作って競技に参加できるようにするという提案が出されました。この提案の目的は、CFAに登録するヨーロッパのバーミーズを増やすことでした。

ここで登場するバーミーズがのちの『ヨーロピアンバーミーズ』になるんニャ

世界では、FiFeやGCCF、オーストラリアの猫団体が認めてる『バーミーズ』って、10色のカラーバリエーションがあるんニャ
CFAでは、ずっと『バーミーズ』って言えば4色だけだったんニャよ
🔥まとめると・・・🔥
CFAでは、バーミーズのカラーは4色のみが認定されていました。
一方で、FiFeやGCCF、オーストラリアなどの団体では、10色のカラーバリエーションを持つバーミーズが正式に認められています。
そのためCFAでは、FiFeなどで認められているタイプのバーミーズを、別の猫種として「ヨーロピアンバーミーズ」という新たな名称で受け入れることになりました。
こうして、それぞれのバーミーズが歩んできた道が、異なるかたちで正式に認められることになったのです。
ヨーロピアンバーミーズが公認品種になるまでの道のり
CFAの猫種として認定されるには、
❶ Miscellaneousクラス (新種登録)
❷ Provisional クラス(暫定公認品種)
❸ Championship クラス(公認品種)昇格
❹ Championship クラス(公認品種)認定
と段階を踏んでいきます。
~年表でみるヨーロピアンバーミーズ~
❶ 1994年:Miscellaneous クラス(新種登録)でショー参加開始
競技クラスではないため、リボンや順位は与えられません。
主な目的は、新しい品種をCFAのショーに慣れさせることと、ジャッジやブリーダーがその品種の特性を理解することです。
Next step → Provisional クラス(暫定公認品種)に昇格するための条件
・CFAへの登録個体が100匹以上、かつ最低5年間継続して登録されていること
・現役のブリーダーが25名以上いること
・etc
❷ 2000年5月: Provisional クラスでの出陳が開始
Provisional クラスでは、競技クラスと同じようにジャッジによる審査が行われますが、タイトルやファイナル(上位入賞)は与えられません。
Next step → Championship クラス(公認品種)に昇格するための条件
・CFAのすべての地域で少なくとも25匹の異なる個体がショーに出陳されたことが証明されること
・etc
❸ 2002年2月: CFA理事会が、ヨーロピアンバーミーズの Championshipクラス昇格を承認!
❹ ♔ 2002年5月:アメリカでチャンピオンシップ競技クラスとして正式に認定される。
※ヨーロピアンバーミーズが猫種として認定された当時のルールになります。
この流れを経て、『ヨーロピアンバーミーズ』はCFAの正式な競技品種(公認猫種)になりました。
これは、非常に価値のあるものなんですよ。

約10年かけて、『ヨーロピアンバーミーズ』は認められたんニャね

継続的な努力と忍耐、時間が必要ニャ……
そして、“この猫種が魅力的で求められていた”ってことも大切ニャよね

そうニャ
さらにその価値を次の世代へと伝えていけたらいいニャね
最近では、Lykoi(ライコイ)、Toybob(トイボブ)、Khao Manee(カオマニー)はこの長い道を歩んでいます。
現在の新種登録に向けての道のりはこちらから。
🔗https://cfa.org/cat-talk/how-breeds-get-their-start-in-the-cat-fanciers-association/
CFAにおけるヨーロピアンバーミーズのスタンダード(基準)
また、『ヨーロピアンバーミーズ』がCFAで正式に認められるには、新たなスタンダード(基準)の策定が必要でした。
スタンダート(基準)はどうやって出来たのか
CFAジャッジのWayne Trevathan(ウェイン・トレヴァサン)が主導し、FiFeやGCCF、オーストラリアの基準を取り入れながら、CFAのガイドラインに適応させました。
多くのブリーダーの協力のもと、『ヨーロピアンバーミーズ』という名称で正式に認定されました。

ヨーロピアンバーミーズの歴史をつなげていくんニャ
暮らしてみてわかる魅力・ヨーロピアンバーミーズの性格
『ヨーロピアンバーミーズ』は好奇心旺盛で遊び好き、非常に知的な猫種です。
人との交流を大切にし、家族の一員として愛情深く、可愛らしい姿を見せてくれます。
彼らの最大の魅力である「懐っこさ」と「賢さ」は一緒に暮らしてわかる部分が大きいなと実感しています。
🔗https://cfa.org/breed/european-burmese
今回のブログでは、以下の出典を参考にして内容を簡潔にまとめています。詳しく知りたい方はぜひ元の記事を読んでみてください!
🔗BREED HISTORY(The Cat Fanciers’ Association, Inc.)
🔗History of the European Burmese in CFA (Written by/Copyright Ann-Louise De Voe)
こちらからはバーミーズ視点の歴史がわかります。
🔗History of the Burmese Cat (©copyright by: Irmgard Thormann, Mackintosh Burmese Cats)
ヨーロピアンバーミーズ誕生の歴史、いかがでしたか?
どの猫種にも、それぞれに歴史があり、ブリーダーさんたちの努力と情熱があるのでしょう。
もし、気になったことや「もっと知りたい!」ということがあれば、お知らせください。
~あとがき~
📌「可愛い!」のその源にあるヨーロピアンバーミーズの誕生の経緯や理由、そしてその背景にある先人たちの情熱が伝わればいいなと思い、まとめてみました。
📌Wayne Trevathanの想いが込められた血統
Wayne Trevathanは残念ながら亡くなりましたが、彼がブリードしたHOLLYという猫がキャッテリーで暮らしています。HOLLYを見ていると、どんな思いでヨーロピアンバーミーズと関わってきたのか、ぼんやりと思いを馳せることがあります。

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