ヨーロピアンバーミーズはどこから来たの?バーミーズ誕生の話
『ヨーロピアンバーミーズ』という猫種をご存じですか?
The European Burmese is a graceful and unique breed.
ヨーロピアンバーミーズは、優雅で独自の魅力をもつ猫種です。
(CFAスタンダードより)
“中庸”の美しさ、賢さ、そして堂々とした姿——
ヨーロピアンバーミーズは、シャム猫のようにシャープすぎず、ペルシャ猫のように丸すぎず、メインクーンのように大きすぎず、シンガプーラのように小さくもない——まさにその“あいだ”にいる絶妙なバランス。
中くらいの耳、中くらいの身体、調和のとれた魅力を持った、唯一無二の存在です。
今回は、ヨーロピアンバーミーズという猫種がどのように誕生し、どのように認められてきたのか――興味深い歴史と先人たちの情熱を【前編】・【後編】の2回に分けてご紹介します。
キャッテリーで暮らす彼らとともに、その歴史をたどってみましょう!

スピカたちがどうやって誕生したのか、気になるニャよ!

ボクがキャットショーに出ることで、この猫種が今もちゃんと大切にされてるって知ってもらえるんニャ

そもそも、純血種ってニャんだろう??
ヨーロピアンバーミーズの歴史【前編】
“ねこ界の国連”?WCC(世界猫協議会)ってどんなところ?
世界には、9つの最大級の猫血統登録団体があります。
これらの9つの団体が集まって構成されているのが、WCC(World Cat Congress)です。WCCはすべての猫の健康と福祉、責任ある繁殖と飼育を促進しています。
日本ではCFAやTICAが知られていますね。
各団体で代々にわたる純血種の血統を管理していますが、認められている猫種が異なることがあります。例えば、マンチカンはCFAでは猫種として認められていませんが、9つの団体のうち3つの団体では認められています。

『ヨーロピアンバーミーズ』はどの団体にいるニャ?

知りたいニャ!!
ヨーロピアンバーミーズは・・・
『ヨーロピアンバーミーズ』という名称は・・・『CFA』たった1つの団体でのみ存在しています。
他の団体ではバーミーズは1つの種類としてまとめられており、CFAでは外見の違いから『バーミーズ』と『ヨーロピアンバーミーズ』に分けられています。

1つの団体でのみ・・・
どうして分けられてるのニャ?

まずはバーミーズの歴史を知る必要がありそうニャね
↓クリック
🔗WCC(世界猫協議会)でのヨーロピアンバーミーズ
※当キャッテリーのすべての猫たちは、CFA(The Cat Fanciers’ Association, Inc.)に登録されています。
世界に羽ばたいたバーミーズたちの歴史とは?
1930年、バーミーズの『ウォン・マウ(メス猫)』がビルマ(現在のミャンマー)からアメリカに輸入され、繁殖の起点となりました。
1949年、アメリカで飼育されたバーミーズ(ブラウン)がイギリスに輸出され、そこからバーミーズの進化が始まりました。
最初にブルーが登場し、その後レッドやクリーム、さらにチョコレートとライラックが加わり、4種類のトーティシェル(ブラウントーティ、チョコレートトーティ、ブルークリーム、ライラッククリーム)が確立されました。
これにより、全10色のカラーバリエーションが完成し、この猫種はヨーロッパ、アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドへと広がりました。
1993年、この10色のバーミーズは、CFA登録が認められ、ついにアメリカに戻りました。
(この時点では新種登録であり、公認品種ではありません。詳しくは後編で!)

全10色あるのは、CFAでは『ヨーロピアンバーミーズ』ニャ
CFAのバーミーズは4色ニャよ

どうしてCFAではヨーロピアンがついているの?
ヨーロピアンバーミーズが誕生した理由を一緒に調べてみるんニャ!
なぜ“ヨーロピアンバーミーズ”と呼ばれるの?その理由が明らかに
アメリカに本部をおくCFAがバーミーズを2つの異なる品種に分けた理由は、主にアメリカのバーミーズとヨーロッパのバーミーズの間で生じた外見の違いにあります。
ブリーダーが求めたバーミーズの姿とは・・・
アメリカでは1930年代からシャム猫を交配に使い、その影響で、バーミーズにシャム猫由来の洗練された特徴が現れるようになっていきました。
一方イギリスでは、シャム猫との交配は行われず、丸みのある顔立ちや体型など、当時のバーミーズの特徴が保たれるかたちで発展しました。
このように、アメリカとヨーロッパでは、バーミーズの「姿」が次第に異なっていったのです。
そのため、アメリカに本部を置くCFAでは、すでに認定されていた4色の『バーミーズ』に加えて、FiFeなどが認める10色のカラーバリエーションを持つタイプを、新たに別の猫種として『ヨーロピアンバーミーズ』という名前で受け入れることになりました。
※バーミーズ(CFA)は、当初はシャム猫の特徴が色濃く現れていましたが、時が経つにつれて、より丸みのある顔立ちとコンパクトな体型へと変化していきました。現在では、丸く大きな目と筋肉質な体つきが特徴です。

そんな簡単に猫の種類を分けることができるのかニャ?
どうして新たに別の猫種にしたのニャ??

どういう経緯があるんニャろう・・・
👉次回の【後編】では、ヨーロピアンバーミーズがCFAに認定されるまでの10年という長ーい道のり、そして今につながるスタンダードについて解説します。
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